男子テニスのムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/レッドクレー/ATP1000)は10日、シングルス準々決勝が行われ、第5シードのD・ティームが第4シードのR・フェデラーを3-6、7-6、6-4の逆転で、そして第8シードのS・チチパスが第3シードのA・ズベレフを7-5,3-6,6-2のフルセットでそれぞれ破り、ベスト4進出を果たしました。
まず、久々にクレーコートシーズンに帰ってきたフェデラーと、クレーキング候補ティームとの一戦。フェデラーはティームに1度もブレークチャンスを与えることなく、第1セットを29分で先取する好スタートを切ります。第2セットも好調をキープするフェデラーは、押し気味に試合を進め、タイブレークでは2本のマッチポイントを握ります。しかし、チャンスを活かせずセットカウント1-1に追いつかれたフェデラーは、第3セットでは先にブレークを許してしまい、主導権はティームへ。フェデラーも意地を見せて一度追いつきますが、4-4からティームが2ゲーム連取し、2時間10分でフェデラーが力尽きました。
3月のBNPパリバ・オープン決勝に続き、またもティームに逆転負けを喫したフェデラーは、「当然イライラする試合だった。マッチポイントを握りながらの敗戦は最悪。今はそう感じている。でも、振り返ると全ていい試合だった。」「自分のテニスは、とてもいいと感じていた。ここではいい試合ができたと思っている。特に最後の2試合。初戦からいい形で大会へ入れた。明らかにガエル(モンフィス)とドミニク(ティーム)はクレーでタフな相手。いい戦いだった。今はクレーでもいい感触を得ている」と、全仏オープンに向けて、久々のクレーコートに手ごたえを感じている様子でした。
そして、両者過去1勝1敗の次世代王者候補対決。まず第1セットは立ち上がりから素晴らしい打ち合いとなり拮抗しますが、最後でブレークに成功したチチパスが先取します。第2セットはズベレフが主導権を取って先行し、そのまま1セットオールに追いつきますが、ファイナルセットでは今度はチチパスが先にブレークして優位に展開し、そのリードを守って2時間10分で若者対決を制しました。
チチパスは試合後「本当に幸せ。自分のパフォーマンスに満足している。とてもうまくプレーできていて、コートでも快適に過ごせていた。こういうときはミラクルを起こせるもの。これまでの過程を楽しむことができているし、この先もさらに良いことを起こしていきたい。」と次戦のナダル戦に向けて抱負を語りました。
そのナダルは、錦織を破った世界ランク34位のS・ワウリンカを6-1,6-2で圧倒して4強入り。また、チリッチの棄権によりジョコビッチが準決勝に進出しています。
それでは、準々決勝のハイライト映像をご覧ください!