全豪オープン(オーストラリア/メルボルン/ハード/グランドスラム)は30日、男子シングルス準決勝が行われ、第2シードのN・ジョコビッチが第3シードのR・フェデラーを7-6, 6-4, 6-3のストレートで破り、2年連続8度目の決勝進出を果たしました。
この試合、ジョコビッチはフェデラーに26本のウィナーを決められるも、タイブレークではバックハンドでリターンエースを決め第1セットを先取すると、第2・第3セットも、万全ではなかったフェデラーに対して主導権を取り、優位に展開します。「第1セットはフェデラーの万全ではない動きやプレーぶりが気になり少し集中を欠いた」と話したジョコビッチでしたが、第1セットをものにして以降は集中力を維持して持ち前の安定感のあるプレーを披露し、2時間18分で勝利しました。これでジョコビッチはフェデラーとの通算成績を27勝23敗としました。
試合後ジョコビッチは「自分に集中するよう努めた。自分のことを最優先に考えるように言われていたけど、言うのは簡単だが実行するのは難しい。良いバランスが取れず、ボールも上手く打てていなかった。それでもサービスが良く、助けられた。出だしは緊張感があった。第1セットを取れたことが鍵だった。その後はリラックスしてプレーすることができた。」と語りました。また、これまで1度も途中棄権したことがないフェデラーに対しては「ロジャーとの対戦は簡単ではない。明らかに彼はどこかを痛めていた。最後までベストを尽くしてプレーしたことを尊敬する。自分のテニス人生で棄権は何度かあった。コートで怪我をしてしまった時の気持ちはよくわかる。テニス人生を通して1試合も途中棄権をしたことがないという事実に驚嘆する。尊敬。それしか言えない。」と称賛しました。
そして翌31日にはもう1つの準決勝が行われ、第5シードのD・ティームが第7シードのA・ズベレフを3-6, 6-4, 7-6, 7-6の逆転で破り、全豪オープン初の決勝進出を果たしました。
3時間42分の熱戦を制したティームは試合後の会見で「1つのプレーが勝敗を左右するようなことはなかった。グランドスラムの準決勝で2人の選手が良いプレーをし合うと、そのようになるだろう。第3セットの第10ゲームで握られた2本のセットポイントを凌いで、そのセットを取った。タイブレークが決め手だった。ラッキーなことに彼は1・2ポイントを簡単にくれた。それがラッキーだった。」と語りました。
また、2018、19年の全仏オープンに続き、グランドスラム3度目の決勝の舞台に立つことについて、「何度も決定打を打つ必要があるだろう。ロンドン(ATPファイナルズ)ではライン際に打つことができた。その時のプレーを繰り返せるように努めたい。彼が優勝候補なのは間違いない。ここで7度も優勝し決勝では負けていない。私達はいつも、信じられないようなレジェンドに挑まなければならない。それでも私はベストを尽くすつもりだ。初めて全仏オープンの決勝へ進んだ時とは違う。日曜日の夜は、すぐにゾーンへ入れるようにしたい。」と意気込みも語りました。
両者は11度目の対戦で、ジョコビッチの6勝4敗。昨年の全仏オープン準決勝とATPファイナルズラウンドロビンではティームが勝利しています。
2014年全米で錦織を破ったチリッチ以来、約5年半ぶりに、グランドスラム新チャンピオンが生まれるのか、今年もビッグ3の壁が厚いのか、注目の決勝戦です。
それでは、準決勝2試合のハイライト映像をご覧ください