現在ATPツアーが休止しているため、過去の映像をお送りしています。前々回、2006年ローマ決勝の死闘を紹介しましたが、今回は、もうひとつのローマ決勝の死闘を紹介します。
それは2005年決勝、G・コリア vs R・ナダルの一戦です。
2005年と言えば、ナダルの本格化が始まった年です。世界が徐々にナダルの存在を知り始め、その18歳の若武者は次世代のナンバー1候補として注目され始めていました。春先の中南米のクレーコートシーズン、リオデジャネイロとアカプルコで優勝し、ここから驚異のクレーコート連勝記録がスタートしました。
クレーコートで勝ち星をいくつも挙げたナダルはその勢いのまま、ヨーロッパ・クレーシーズンになだれ込み、モンテカルロ決勝で当時クレー最強と言われていたG・コリアを破って優勝。続くバルセロナでもタイトルを獲り、クレーコート3連続優勝を狙ってのローマ決勝に挑みました。
そしてその決勝の相手は、モンテカルロのリベンジに燃えるコリア。勢いのあるナダルとクレーでは負けられないコリアの意地と意地のぶつかり合いは、両者一歩も引かない壮絶な打ち合いとなりました。結果はフルセット5時間14分の大激戦の末、6-4,3-6,6-3,4-6,7-6でナダル勝利となりました。驚異のクレーコート3連続優勝を達成したナダルは、その後の全仏オープンも制し、クレーキングと呼ばれるようになりました。
一方のコリアは、前年の全仏オープン決勝で、ガウディオに対し圧倒的に内容で押していたにも関わらず、2セットアップからまさかの逆転負けを喫したり、この年は惜しくも決勝でナダルに止められたりと、クレー最強かと言われながらも、クレーキングまでにはあと一歩届きませんでした。ちなみに、この年の全仏オープンは4回戦で敗れ、その後はケガなどもあり活躍できず、2007年にはランキングを失い、2009年に引退しています。
ナダルは2018年、通算900勝を達成した時、「900勝のうち、特に記憶に残る試合は?」と聞かれ「難しいけどいくつかは挙げられる」と答え、そのうちの1つが「コリアと決勝で死闘を演じた05年マスターズ・ローマ大会」でした。
また、ナダルは快進撃を見せた2005年について当時、次のように語っています。
「シーズン最初からほぼ順調だった。ドーハとオークランドの大会では良いプレーができなかったが、中南米では調子が良くなって、リオとアカプルコで優勝した。そして、マスターズ1000のマイアミの決勝でフェデラーと対戦した。私は2セットアップして、勝てたはずだった。でもフェデラーはすごいパフォーマンスで盛り返し、私はそれに対抗できずに負けた。しかし、その経験は私を大きく飛躍させてくれた。その後、モンテカルロで優勝し、それが初のマスターズ1000での優勝だった。ローマでもコリアとの大接戦の末優勝し、全仏オープンでは初めてグランドスラムでタイトルを獲得した。あの時点で、すべてのコートでワンランクアップしたと思う。特にクレーコートでは。」
それでは、2005年ローマ決勝のハイライト映像をご覧ください!
2010年と2018年の決勝ハイライトもどうぞ!